夏の学校は日頃の研究生活では知り合うことのない人とも交流の和を広げることができるとてもいい場だと感じています。また毎年夏の学校の校長が変わり、その校長ごとのオリジナリティが反映され、開催内容にもいろいろな試行錯誤が加わり進化し続けていることも魅力のひとつだと思います。2007年度夏の学校では、せっかく各地からすばらしい研究をなさっている講師の先生方をお呼びし、貴重な講演の場を提供していただくのですから、興味ある講演を選んで参加するのではなく、お呼びした先生のお話は全て聞いて欲しいという願いから分科会をなくし、常に全員参加の「勉強会」というものを設けました。この会は名前が示すように、分野外の方々にも聞きやすい講演にするため、講演の半分は初学者向けの講義にし,勉強の要素を重視することを目指しています。もちろんその分野に詳しい方も楽しめるように、後半は先端研究のお話をしていただきます。
私は夏の学校2007を開催するにあたって、「多種多様のバックグラウンドを持った若手のみなさんと少しでも多く知り合い交流したい、またお互いに交流して欲しい」という思いで校長を務めたいと思っています。これからは各分野の融合研究も大事になってくると考えています。1つの分野を徹底的に掘り下げることももちろん大切ですが、自分の研究もしっかりと進めつつ、排他的にならず若いうちから積極的に視野を広げ、広い交流関係を作り、互いの分野の得意な部分不得意な部分を正しく理解しておくことで新しい研究分野を切り開いていくことが出来ると、まだ研究の初心者ながらに確信しております。今年も京都で熱い議論の夜が過ごせることを楽しみにしております。
最後に、活動資金面で力の弱い若手の会に毎年暖かく援助の手を差し伸べてくださる生物物理学会や企業のみなさまに感謝の意を表し、締めくくりたいと思います。
京都で皆様にお会いできるのを楽しみにしています。
京都大学大学院理学研究科吉川研究室博士1年 貞包浩一朗
sadakanechem.scphys.kyoto-u.ac.jp