講演概要

メインセミナー (Sep 3, 2025)
要素から創る生命システムとその応用
松浦 友亮
東京工業大学 地球生命研究所 教授
#無細胞翻訳系#人工細胞#進化分子工学
細胞を構成する多くの分子が明らかになってきた現在、生体分子等を組み合わせて細胞の機能を持つ分子システムを再構成する研究が盛んに行われている。この要素から分子システムを創るプロセスにおいて、分子システムが機能を発現するのに最低限必要な要素や条件を明らかにすることができる。加えて、構築した分子システムを用い応用研究も展開できる。我々は、細胞を用いること無く要素から組み上げシステムを無細胞分子システムと呼んでいる。本講演では、まず、我々が構築してきた人工細胞を含む様々な無細胞分子システムを紹介し、続いて、それら用いて何を明らかにできるか、どのような利用方法があるのかを紹介する。また、最後に今後の人工細胞研究について議論する。

参考文献
- [1] Peng, Z. et al. Lipid vesicle-based molecular robots. Lab Chip 24, 996–1029 (2024).
- [2] Nakai, H. et al. Cell-free synthesis of human endothelin receptors and its application to ribosome display. Anal. Chem. 94, 3831–3839 (2022).
- [3] Dwidar, M. et al. Programmable artificial cells using histamine-responsive synthetic riboswitch. J. Am. Chem. Soc. 141, 11103–11114 (2019).