講演概要

小林 徹也

メインセミナー (Sep 3, 2025)

物理・情報・進化で捉える生命の設計原理

小林 徹也

東京大学 生産技術研究所 教授

#非平衡ダイナミクス#進化ダイナミクス#生体情報処理#アセンブリ

非常に精巧かつ巧妙に機能する多様な生命現象の設計原理やさらにはその創出の原理を理解するにはどんな視点と技術が必要だろうか?第一に来るのが物理である。すべての生命システムは反応でできており、したがってすべての機能は物理化学的な法則や熱力学的な要請と整合的に実現されている。もう一つは最適性であり、物理化学的な制約の中で、生命システムがどれだけ精巧で効率的か?を情報論的な理論限界という形で明らかにしてくれる。最後は進化であり、すべての生命機能は進化により創出・洗練されてきたことに基づき、非生物物理系では大きく異なる性質が実現される。

 

つまり、物理・情報・進化を統合的に捉えることが生命の設計原理の理解には不可欠です。本発表では、この3つの要素がどのように関わっているのか、そして理論的にそれらを統一する基盤は何なのか?を概説する。またそのような観点に基づき発足した、進化情報アセンブリの研究についても紹介したい。

 

本講演の概要図