講演概要

分科会

シャペロンによるタンパク質動態制御メカニズム: NMRを中心としたアプローチ

齋尾 智英 (徳島大学 先端酵素学研究所 教授)
#NMR#タンパク質フォールディング#シャペロン

シャペロンは,新生タンパク質のフォールディングや,天然変性タンパク質の液-液相分離における集合・離散など,タンパク質の動態を制御する.その制御においては,基質となるタンパク質との弱く動的な相互作用によって機能しているが,その作用機序は不明である.構造予測ツールの精度が向上した現代においても、シャペロン-基質タンパク質のような動的な複合体については信頼性の高い予測は難しい。本研究では、溶液中での弱い相互作用や動的複合体の解析に優れるNMR法を中心とした研究戦略により、シャペロンの動的な姿を可視化し、シャペロンの作用機序を解明することを目指している。具体的には、1. シャペロンによるタンパク質フォールディング補助のメカニズム、2. シャペロンによる液-液相分離制御のメカニズム、の2点について取り組んでいる。本発表では、NMR構造解析や過渡分光によるフォールディング解析、液-液相分離液滴の顕微鏡観察などを用いた研究結果を中心に紹介する。

← プログラムに戻る
Tweets by bpwakate