夏の学校とは?
生物物理若手の会夏の学校 (以後, 夏学) は生物物理学を専攻している、
あるいは興味を持っている全国の大学生・大学院生・若手研究者(PD・助教・企業研究者など)を対象とした研究会です。
生物物理学は物理的手法・視点によって、生物を根本から理解することを目指す分野で、
蛋白質や核酸などの生体分子から細胞・個体まで幅広い階層を扱います。
さらに、それらの実験的解析のみならず、シミュレーションや理論的解析なども含んでおり、
実験と理論の両側面から研究が進められています。
夏学は日本を代表する生物物理学者である大沢文夫氏が発起人となり、
1960年に開校されて以来、毎年開催されており今年で節目となる第60回を迎えます。
生物物理学を中心とした様々な分野で活躍する研究者を輩出した実績をもつため、
夏学は日本の生物物理学を中心に、幅広い分野の発展に大きく寄与しているといえます。
本年の夏学の特徴は?
生物物理学は前述の通り、非常に幅広い分野をもつ学術領域です。 加えて近年は大学などの研究機関だけでなく企業においても、実験と理論を跨いだ融合領域で 魅力的な研究が展開されており、我々の生活への恩恵は大きいといえます。
各分野において研究対象や研究手法、そして生命に対する考え方そのものが異なるため、 実験系または理論系のスペシャリストとしてだけではなく、両者についてのバックグラウンドを理解し、生物物理学全体を俯瞰できる若手研究者が求められています。そこで、今年の夏の学校では以下のテーマを掲げました。
「実験と理論の最先端と協奏」
史上初の3日間のオンライン開催という形で開催予定です。
オープニングセッション
今回で第60回となる節目として、日本の生物物理学の創設者である故大沢文夫名誉教授の教え子に当たる、日本生物物理学会元会長をお招きします。 最新の研究内容を紹介していただくとともに、日本の生物物理の系譜や今後の展望も知る機会を作る予定です。メインセミナー
実験と理論の融合領域の最先端を牽引する研究者3名を招くことで、最新の研究成果を学びます。 実験と理論の両面から生物を理解する意義を知り、自身の専門分野でも応用することができないかを考える機会を作る予定です。 1名は企業の研究職の方をお呼びして研究紹介をして頂き、解決したい問題を提案していただく予定です。 他の2名の講演者からも解決したい課題を提案して頂き、質疑応答や懇親会でメインセミナーの理解を深めながら課題解決のための議論ができる場も用意する予定です。特別講演
生物物理学の中心命題「生命とは何か?」について実験と理論の垣根を超えて議論する機会を作ります。参加者が既に持っている専門性とメインセミナーでの学びを組み合わせ、実践できるレベルまで高める機会を得てもらおうと考えています。分科会
各分野に特化した6名の専門家をお招きすることで、参加者自身の専門性を高める機会にしようと考えています。 また、実験と理論を融合できる余地や、それを実現できた際に期待される研究成果などを参加者にも考えていただきたく機会にしたいと思います。 さらには、講演者が実験と理論の融合研究を行なっている場合はその内容、 そうでない場合は講演者の研究の生物物理学における位置付けや意義を含めた内容をご講演いただく予定です。ランチョンセミナー
企業への就職を目指す学生参加者のために、大学院生やポスドクに特化したキャリア支援事業を手掛ける企業の講師をお招きします。第50回夏学以来10年ぶりのランチョンセミナーであり、参加者には研究内容や自身の強みなどのアウトプット力を高めていただきたいと考えております。※休憩時間が短いです。飲食物は各自でご用意の上、ご参加をお願い致します。
学振・科研費講座
研究成果を効果的に発信する術を学ぶために、日本学術振興会特別研究員(学振 DC)や科研費の申請で意識していることについて、講師をお招きしてご講演いただきます。アカデミア就職を志す方以外も参加することが想定されるため、講師の方の研究内容も15分程度でご紹介いただきます。懇親会
懇親会冒頭では参加者をグループに分割して、例年同様のフラッシュトークを行っていただきます。その後は日本生物物理学会HPにある生物物理のキーワードを用いて分野ごとにZoomのルームを作り、懇親会を盛り上げることも企画しています。また、第60回夏学ではコミュニケーションツールSlackを利用して質問を集め、質疑応答に活用します。夏学中に先生方に伺いたいことを参加者が投稿できるようにし、懇親会でも質問できる機会を作る予定です。
詳細はこちら
※飲食物は各自でご用意をお願い致します。