メインシンポ タイトル「膜」
オーガナイザー:濱田 勉(京大・理)
講師: 宮田 英威 先生(東北大・理)
楠見 明弘 先生(名大・理)
今井 正幸 先生(お茶大・理)
全ての生物は細胞を基本単位とし、細胞は細胞膜により外界から区分されています。膜で区画された微小空間内では様々な化学反応ネットワークが形成されており、また膜を介した外界との物質やエネルギーのやり取りによって、生物は生きている状態を維持しています。本シンポジウムでは、生命の基本単位である「膜」に焦点を当て、皆さんと一緒に次のような基本的な事柄について考えてみたいと思います。
・生命にとって「膜」はどの様な役割を果たしているのか?
・膜の性質を理解するためにはどの様なアプローチが有効であるか?
・膜を構成する脂質分子の性質と、それらが多数集まった分子集合体としての膜の構造・機能との関係は?
今回のシンポジウムでは、3人の先生方に公演をして頂きます。宮田英威先生は、細胞膜を模倣した人工膜小胞(リポソーム)を用いて膜の物性の研究を行っています。楠見明弘先生は、細胞膜中の脂質分子やシグナル分子の一分子観測実験の研究を行っています。また今井正幸先生は、細胞膜を構成している両親媒性分子の集合体の振る舞いをソフトマター物理学の観点から研究されています。いずれも、膜に関する研究をそれぞれ異なるアプローチから精力的に取り組んでらっしゃる方々です。
「膜」を理解することなくして、生命を理解する事なし!メインシンポジウムへの皆さんの積極的な参加と分野横断的で活発な議論をお待ちしています。
Stryer, Biochemistry (1988).